トルクレンチの使い方 設定、締付け方、注意点、保管方法


トルクレンチを使うことで整備の精度を上げることができます。
例えばタイヤのナットを締め付ける時に締付けが弱くてナットが緩んでしまったり、強く締付け過ぎてボルトが破損すると大変危険です。

トルクレンチの使い方や注意点があるので覚えてしまえば簡単に使うことができます。

「トルクレンチを使ったことがない」、「使い方を再度確認したい」という方に参考になるように解説していきたいと思います。

目次

トルクレンチの使い方

トルクレンチ 各部の説明

①主目盛・・・1目盛は5N・mずつにになります。(トルクレンチによって1目盛の〇〇N・mの値が変わります。)
②赤い線・・・主目盛の設定位置
③副目盛・・・1目盛は0.5N・mずつにになります。(トルクレンチによって1目盛の〇〇N・mの値が変わります。)
④赤い点・・・副目盛の設定位置
⑤有効長線・・・力をかける位置

⑥ロッカー・・・セットしたトルクが変わらないようにロックできます。


⑦回転方向切レバー・・・レバーを動かすと回転が方向が変わります。トルクレンチは時計回り(締め付け方向)のみ使用

トルクレンチでボルトを緩めることはしないでください。
緩める時に想定以上のトルクが掛かった場合、内部が破損する為。

規定トルク値に設定の仕方

例 20N・mに設定してみましょう。

主目盛を20N・mの目盛と赤い線を一致させます。
副目盛の0目盛と赤い点を一致させると20N・mの設定になります。


例 27N・mに設定してみましょう。

主目盛を25N・mの目盛と赤い線を一致させます。
副目盛の0目盛と赤い点を一致させると25N・mの設定になります。

副目盛0から副目盛を2.0目盛と赤い点を一致させるとプラス2N・mになるので合計27N・mの設定になります。

トルクレンチで対象物の締め付け方

有効長線に力がかかるよに持ち、力をかける方向はトルクレンチに対して直角に力をかけます。

有効長線より短い場所に力をかけると設定トルクより大きいトルクがかかります。
有効直線より長い場合に力をかけると設定トルクより小さいトルクがかかります。

締め付ける時はゆっくりと締め付けをしていき、「カチッ」と音と振動が伝わってきますのですぐに力を抜いてください。
必ず「カチッ」の1回にしてください。

「カチッ、カチッ」と2回以上締め付けを行うと規定トルク以上に締まってしまいます。

トルクレンチ使用後

最小目盛にもどす。
設定値を高めに設定したままだと内部のバネなどに負荷がかかった状態になり、精度不良になる為です。
最小目盛以下まで戻し過ぎると内部で部品がずれてしまうので注意してください。

油・水・汚れを綺麗に拭き取ります。
作動不良や精度不良になる為です。

保管の仕方

振動や湿度が高い場所での保管はしない。
トルクレンチは精密機械なので振動を与えると精度不良になったり、湿度が高いと内部錆びが発生することにより精度不良になります。

トルクレンチは精密機械なので保管の仕方は重要になっていきます。

トルクレンチ使い方のまとめ

①規定トルク値に設定する
②有効長線に力がかかるよに持つ
③力をかける方向はトルクレンチに対して直角にゆっくりと力をかけていく
④「カチッ」と音と振動が伝わってきたらすぐに力を抜く
⑤最小目盛に戻して汚れなどを拭き取り綺麗にする
⑥保管場所は振動や湿度が高い場所は避ける

トルクレンチの使い方を覚えてしまえば難しくはないと思うので、注意点を守って挑戦してみてください。


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